それは破壊だったのか、創成だったのか
「DALI」

クジラは沈み、世界は焼き払われる。ALCOHOL AND PUBLIC HEALTHのニューシングル「DALI」はそんな鋭利な言葉が散りばめられている。それに同調するかのように、言葉なく楽器陣のメロディは破壊的で幻想的だ。前作から2ヶ月と短いスパンで完成された「DALI」は、その期間を感じさせないエネルギーに満ちている。前作「Silva is virgin」で自らのバンドサウンドをブラッシュアップさせ、これからの骨組みとして構築していくであろうバンドの形成を、まさに本作でゼロに戻すかのように破壊した。しかしこれは破壊だったのか。「DALI」と言う凄まじく鋭利で暴力的な彼らの、更なる一ページへの創成であったのかもしれない。

DALI
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DALI

ミナグチダイチマスダさんと二人きりでデモテープを作った時に、堰を切ったように溢れるこの曲の可能性を感じたのを今でも鮮明に覚えてる。

マスダタイシこの曲に関してはシングルを全く意識せず作ったので、リフもマイナー調でもっと荒々しくて泥臭い曲だったんですよ。それはそれでいい味が出ててありかなと思ったんですけど、そこから色々とアレンジを加えて最終的に今のような形が完成した感じです。アレンジ次第でここまで曲のイメージがガラッと変わるのも面白かったし、今のやりたい事が詰め込まれた一曲になってると思います。

カネコユウキ音を大きく変化させるために「Rita」の時使用したジャズベースを起用しました。前回不評だったのでリベンジを兼ねて音作りをしました。濁ったディストーションとはっきりした音階を表現できたと思います。

アライショウタドラムが入ったり、抜けたりする所の段差がしっかり出るように、迫力のある音を使っています。演奏に関しても、重い部分、広がる部分がハッキリと出るようにと意識して、製作に取り掛かりました。繊細な連打はあまり使用せず、けっこう感情が入った演奏になっていると思います。

世界を包み込む悲しい光の雨 [Studio One Take]

ミナグチダイチ作った頃に色んな事があったから、個人的に感傷的な曲。でも今はフラットな気持ちで、この曲を歌える。乗り越えたと言う事。

マスダタイシ原曲と同じバラード調の雰囲気ではつまらないので、今回はバンドサウンドを強い曲調にしました。ギターソロも追加して以前とは全く違う曲のイメージになったと思います。

カネコユウキ原曲がとてもバラードだったのでテンポなどで戸惑いがありましたが、綺麗に仕上げられたと思います。ボーカルのアレンジがお気に入りです。

アライショウタ以前からリメイクしてみたいと思っていた楽曲の1つでした。実際やってみて、物凄く自分好みの仕上がりになって満足しています。原曲とはまた違った良さがあって、個人的にはスタジオでやるなら、このバージョンでやっていきたいですね。

ヘミングウェイの夢のあとに [Studio One Take]

ミナグチダイチこの曲は深い。自分にも目的地が分からない。どこへ向うのって、そこはヘミングウェイの夢のあとに行くんだろう。

マスダタイシ原曲に忠実に再現しつつ、サウンド面では今のバンドサウンドに近い仕上りになっ「ヘミングウェイの夢のあとに」も撮り直したいと思ってたんですよ。

カネコユウキだいぶベースの音が変わったなと実感しました。

アライショウタスタジオテイクで何回かやっている楽曲ですが、今以上に最後のパートの激しさの表現をさらに高めていきたいですね。3A面で出した3曲の中でも一番のお気に入りの曲なので、もっともっと追求していきます。

Next Future APH
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「DALI」その先にあるALCOHOL AND PUBLIC HEALTHとは

ミナグチダイチまんだらけで万引き。

マスダタイシ今バンド活動が充実してるので正直先のことは全然考えてなくて今を精一杯楽しんでる感じです。とにかくアルバム完成に向けてがんばります。

カネコユウキ練習します。

アライショウタ今は制作中心の活動になっていますが、それが落ち着いたらスタジオでどんどん制作した楽曲を楽しんでいきたいですね。その中で自分のドラムの音や、ドラムラインのパターンを追求していきたいと思います。

文:Mitsuo Inagawa