INTERVIEW

Dissolution : Abnormes Odysse inn Fantasy

アライショウタ

INTERVIEW

アライショウタ「Dissolution : Abnormes Odysse inn Fantasy」

新しいステージに。幅が広がる感覚を得た、ニューアルバム。

完成した今振り返って、「Abnormes Odysse inn Fantasy」はどんな一枚でしょうか。
自分自身にとってもバンドとしても、また新たなステージに上がった感じですね。今までアルバムを完成させるたびにこれ以上のアルバムを作れるのか?このアルバムを越えられるのか?と言うのがあって、「幸福な老人と魚」が完成した時には、特にこの気持ちがあったのですが、今回のアルバムを製作して行く中で、さらに幅が広がった感覚を得ましたね。越えられる・越えられないはともかく、新たなステージに行けたなと。レコーディングに使用していたドラムを新しくした事もあり、色々な意味で新しいステージに行けたアルバム制作でしたね。
一曲目、封を切ったように「オデッセイ・2017・SEX」。破壊的に、畳みかけるような展開とアレンジが印象的です。
イントロから飛ばしてますよね(笑)。ああいった曲調は中々無いので、かなり気に入ってます。綺麗な所は綺麗でメリハリがあって。最初のイントロみたいな感じのまま最後まで勢い良く駆け抜けていくような曲も作ってみたいですね。若いうちに(笑)。ここ最近あまりないですからね。テンポの速い曲は。
「ラバー」や「変身」とかも、同系統と言うか、メリハリの強さ、アブノーマルさを醸し出してて。
そうですね。だからこのアルバムは面白いんですよ。ツアーも楽しみです。「変身」「ラバー」「オデッセイ・2017・SEX」を立て続けにやったら物凄くバテそうではありますが、とても楽しそうです。
その半面でメロウな一面も持ち合わせている。「デイビスの鐘が鳴る」はアライさん一番のお気に入りだそうですね。
はい。こういう雰囲気の曲はとても好きですし、ドラムラインにも拘りましたね。その分レコーディングでは長い時間を費やしてしまいましたが。出来た当初からかなりお気に入りでした。しばらくこの曲より好きな曲はできないんじゃないかって思った程です(笑)。ただ、好きな曲なだけに、正規レコーディングが終わっても、「デイビスの鐘が鳴る」を完全に表現しきれていない自分の技術のなさを思い知らされた曲でもありましたが。
「Abnormes Odysse inn Fantasy」の本格的な製作に入った当時に、長年愛用していたドラム機材を一式変えたんですよね。
正直なところ日頃のメンテナンス不足で色々な不具合もあってレコーディングで迷惑をかけていた部分もありましたからね。今回の買い替えたものは、そういったこれまでの怠惰にしていた部分の反省も踏まえてしっかりとやっていきます。まだまだ機能を活かし切れていない部分があるので日々精進ですね。
今まで以上にドラムサウンドの選定やアレンジに拘ったそうですね。
はい。全然ドラムの性能を活かし切れていない部分がありましたので、今回はそう言った事の無いように。とはいえ、まだまだ手探り状態ではありますけどね。ドラムラインに関しても、今まで以上に細かい部分もあったので、そのドラムラインが活かせるような音作りを心がけました。
今作はダイナミックさや大胆な曲も多いので、前作ほど細かさや複雑さを排除しているのかなと思いましたが、実は今作も相当作り込まれてますよね。
確かに前作よりもぶっ飛んでいる感じな演奏も多かったりしますが、そこには刻みの細かい激しさもあったりして、実はなかなか苦労した面もありました。もちろんスローテンポの中で細かいドラムラインを作っていくのも苦戦していますが、速いテンポで勢いのある中で細かいドラムラインを表現するのも久しぶりでなかなか苦労しました。
一番ドラムを完成させるのに苦労した曲は?
「デイビスの鐘が鳴る」ですね。上でも言ってますが、お気に入りでもありましたし、手足のコンビネーションがとても大事でしたからね。繋がりが気持ち良くならなくて何度も何度も録り直しました。
この曲をスタジオライブに持って行ったら大変そうですよね。
そうですね。忠実に再現するのは苦労しそうではありますが、できた時の気持ち良さは半端ではないものがありそうです。早くスタジオに臨みたいです。
タイトル曲にもなっている「Abnormes Odysse inn Fantasy」について。
アルバム曲として恥じない仕上がりになっています。サビのメロディもAメロも雰囲気も歌詞も、個人的な好みに物凄くマッチしていて。スタジオで感情を込めてしまいそうです。
「Abnormes Odysse inn Fantasy」ってすごく悲しい、終末観あるメロディに、どこか絵本のような歌詞が載ってたり。歌詞だけ見ると暗い曲に見えない。今作のアルバムをどう感じていますか?
暗いですね。全体的に。激しい曲もスローな曲も。普通の暗さではないのですが。上手く言い表せる言葉が見つからないですが、この暗さをどう取るかは人それぞれになると思います。
暗いからこそ、激しいとか。普通のバンドなら落ち着いて静かで重い演奏になりそうです。
そうですよね(笑)。自分の暗ければ暗いほど感情が入って激しくなってしまうんですよ。レコーディングではまだ落ち着いてますけど、スタジオではもっと露骨にこの癖が出てしまいそうです(笑)。曲調が暗くても内側から盛り上がってしまうんです。
アルバムを完成させた今後は。
今まで同様、スタジオで繰り返し演奏していく中で、次のステップを探っていきたいですね。今回も楽しみな楽曲が多いので、楽しみながら曲を洗練していきたいです。ドラムラインも機材の性能もまだまだ試せる要素が多いので、色々チャレンジしていきたいです。