INTERVIEW

Dissolution : Abnormes Odysse inn Fantasy

カネコユウキ

INTERVIEW

カネコユウキ「Dissolution : Abnormes Odysse inn Fantasy」

「前作より良いものを」ではなく「どこか新しい場所へ」と挑んだニューアルバム。

「Abnormes Odysse inn Fantasy」をどんなアルバムに感じていますか。
色んな意味で良い曲が多いように感じます。1つのアルバムでこれほどジャンルを散りばめているのは自身では初めてです。
アルバム制作についてですが、開始当初はどんな心境で?
新作は新しい機材で挑んでみたいと思いました。それでベース本体もエフェクターも前作とは違うものを使用したので不安もありましたが、今まで以上に好きな音が出せたので結果満足しています。あと、良い曲を作りたいって思うのは毎回で、でもこのアルバムは「前回の作品より良いものを」という意識ではなく「どこか新しい場所へ」と思いながら挑みました。なので制作中は、今まであまり聴かないようなバンドの曲を聴いたりしてしていましたね。
そこから何か新しいアイデアや方向性を見出した?
ベースの方向性はあまり変わった気はしませんが、感性は少し変化したように感じます。技術面は成長したとは思えませんが、あまり使って来なかったベースラインに仕上がったと思います。
サウンドアプローチも前作からかなり変わりましたよね。
そうですね。「地平線を泳ぐように君が投げた虹が架かる」からベースもエフェクターも変えたので、色々挑戦と調整を繰り返しました。今までも曲によってベースのアプローチを変えて来ましたが、ここまであからさまに変えて挑んだのは初めてでした。
今作は変化も加えてジャンルも多彩だと先程出ましたが、アルバム制作は順調に進んだのでしょうか。
意外とスムーズでしたね。収穫のない日はないと言って良いほど有意義でした。元々うちのメンバーは好きな音楽のジャンルがバラバラだったからこそ出来たのかもしれませんね。
「Abnormes Odysse inn Fantasy」と言うアルバムの完成図が見えたのは。
実際は終盤になるまであまり見えてはいませんでした。曲数も多かったですからね。それで、終盤に「シャロは死んだように」のデモテープが出来た時に、全体としてバランスが良くなったなと思ったんです。あれで、やっと全ての辻褄が合って「Abnormes Odysse inn Fantasy」という作品になったなと思います。
一番お気に入りの楽曲は。
「デイビスの鐘が鳴る」ですね。本当に好き放題やらせていただいた感じがして、やってても聴いていても心地いいです。このアルバムで一番自分のベースらしさが現れてると思います。
逆に、苦戦した楽曲は?
「シャロは死んだように」ですね。これはBPMが苦手なスピードで、ロングトーンの伸びなんかも結構気にしてレコーディングしました。
「BLUE」について、シングルカットの話が出て反対したとか。
はい。一番大きい理由としましては、これはシングルにしては重すぎると思ったんです。決して重いのがシングルになってはいけない、というわけではないのですが、自分の中で「BLUE」はアルバムの核になる曲と言ってもいいくらい、アルバムの深いところに位置する曲なんです。この曲を別個のものとしてしまうと、アルバムの価値が変わってしまうと思って反対しました。
「BLUE」が尺長でスローバラード調なのに対して、「オデッセイ・2017・SEX」や「ラバー」のような短く畳み込むアッパーの効いた楽曲も混在しています。
多分長尺の曲がある、このアルバムでしか出来ない表現なんだと思います。長く聴くような曲じゃない、シンプルだからこそカッコいいという楽曲もいくつか仕上がりました。
「Abnormes Odysse inn Fantasy」を提げたスタジオライブについて。
とりあえず、何せ曲数が多いので構成などに苦戦しないように、確認したいと思います。それと、どこのスタジオに行っても最高の音質に出来るよう努めたいと思います。
「Abnormes Odysse inn Fantasy」の次のアルバムはどんなものになると思いますか?
ロックである事を願うばかりです。